【2023年】Makuakeにて開催したプロジェクト 成果報告
~新「麹ムロ」・旧「麹ムロ」味わい対決~
プロジェクトページ
→https://www.makuake.com/project/maibijin2/?utm_source=a37&utm_medium=email
沢山の応援、ご支援有難うございました。
あらためて感謝申し上げますm(__)m
今回のプロジェクトの「新麹ムロ」と「既存の麹ムロ」で醸したお酒がほぼ同じ条件で醸しましたが、想像以上に味わいが大きく違いました。
味わいの違いについて沢山の質問も頂きましたので、説明不足の部分も含め、ここで追加の詳細ページを作りました。
ご覧いただければ幸いです。
◎ 【プロジェクト概要(プロジェクトへの想い)】
酒造りにとって、最も大切だと言っても過言ではない「麹」を造る部屋である「麹ムロ」を新しく設置しましたが、今後新しい「麹ムロ」でお酒を醸していく上で、ご愛飲いただいている皆様に楽しんで頂ける舞美人らしい味わいのお酒を造っていけるのか?という不安がありました。
そこで、舞美人の人気酒で蔵付き無添加酵母で仕込んでいる「山廃純米 無濾過生原酒 sanQ」を、新しく設置した「麹ムロ」と既存の「麹ムロ」とで、その他の条件を同じに醸し、味わい評価をしていただき、今後の酒造りに生かしていこうという気持ちでプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクト終了後、実際にお酒を飲んで頂きました皆様から、沢山のご意見を頂きました。心から感謝申し上げます。
◎【酒造りの工程の違い】
「新麹ムロ」のお酒と、「既存の麹ムロ」のお酒は、麹造り以外は、同じ条件で造りました。
その酒造りの工程のおおまかな流れです。
作業の中で、大きな違いは「麹ムロ」での作業のみになります。
新麹ムロの酒造り↓ | 旧麹ムロの酒造り↓ |
①【麹米造りのための蒸し】
甑に酒米を入れ、水を入れた和釜の上にのせ、和釜の下から火力で蒸し上げます。
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②【酒母用の麹造り】 新しい麹ムロで造りました。
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②【酒母用の麹造り】 既存の麹ムロで造りました。
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「新麹ムロ」での麹は、 箱で造りました。
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「既存の麹ムロ」での麹は、 蓋(ふた)で造りました。
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③【酒母造り】 同じ酒母室で、同時に造りました。
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④【本仕込:もろみ発酵】 仕込んだタンクはもちろん別々ですが、タンクの場所は同じ鉄筋蔵の中で 発酵させました。 酒母の出来具合と作業上の都合により「新麹ムロ」のお酒は、「既存の麹 ムロ」より1週間遅く仕込みました。
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⑤【袋取り】 酒袋にもろみを入れ、木ぶねの中に積み上げます。
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木ぶねは、酒袋の上に蓋を乗せ木片を積み上げ、その上から重油で圧力をかけています。
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木ぶねの槽口から、新酒が出てきます。
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新麹ムロ ・原材料:米(国産)、米麹(国産米) ・使用米:福井県産 自社田栽培 五百万石100%使用 ・精米歩合:60% ・アルコール分:19.1 ・日本酒度:+1.0 ・酸度:3.0 | 既存の麹ムロ ・原材料:米(国産)、米麹(国産米) ・使用米:福井県産 自社田栽培 五百万石100%使用 ・精米歩合:60% ・アルコール分:16.9 ・日本酒度:-9 ・酸度:6.2 |
◎【味わいの違いの検証】
~「新麹ムロ sanQ」と「既存の麹ムロ sanQ」の 飲み比べをしたお客様からのご意見・ご感想~
●「新麹ムロ sanQ」について。 ・酸味が低いのでドライな酒としてはアリかも。 ・最初は甘口で、飲み進むうちにやや辛口に。 ・あり得ない。高アルコール、低酸度ならsanQではないと思います。 ・飲みやすくて、こっちの方が好き。 ・このお酒がsanQになるならNo Thank youだ。 ・同じ銘柄とは思えないほど違う。 ・ドライが好きなので新ムロ。 ・少し苦みがたつ感じ ・やさしい味わいで、加水せずともスッと飲める感じがしいます。 ・アルコールの味が先に来るので、甘味は感じるのですが酸味は探さないと見つかりません。 ・バニラ的な旨味があり良い。 ・新しい木の香りがする。 ・時間が経ち常温に近くなると、高いアルコール度数ですが飲み口がやわらかくなる。 ・酸味がまろやかで、後味にふわっと旨味が広がってお気に入りの一品になりそうです。 ・特徴があまりなく、他社との違いが分からないと思う。 ・普通呑んで、つまみに合わせて楽しめると思いました。 ・ひのき風呂に入った瞬間の感じです。若々しいのかしら。 ・女性でも飲みやすい酒 ・素晴らしい木の香、新しい健やかなお酒ですが、私には余韻が少し足りません。 ●「既存の麹ムロ sanQ」について。 ・いつものsanQの味わい。 ・想像通りで、安心し出来る味わい。 ・甘酸っぱく、全体にやわらかくまとまっている気がします。 ・大好きな味わいです。この味わいは残して欲しいと存じます。 ・慣れ親しんだsanQの香りと舌触りが旨いです。酸味と甘みのバランスア絶妙です。 ・好き嫌いがはっきりするお酒。 ・少し嫌な香りが出ている気がします。 ・爽やかな口当たりと後味がお気に入りの一品になりそうです。 ・他にないOnly one、ぶっ飛んでいる感じが大好きです。 ・酸味が強い分インパクトが強かった。普通のおつまみよりくさや等強めの発酵した食品にあいそうだと思いました。 ・酸味・甘味・コクのある刺激的で味わい深い飲み口です。 ・なんと素晴らしい乳酸菌なのでしょう、山廃系大好きな私ですが、この強い乳酸菌 は、雑菌に勝った余韻だけでなく、今回の新旧対決、両者のブレンド、旧室1、新室3、であることに行きつきました。
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~醸造元として、検証と今後の課題~ 上記の表のとおり、2種類のお酒で人間の手が加わった造り方の違いは、麹ムロと若干の醸造日数のみです。
「既存の麹ムロsanQ」はいつも通りの味わいで評価が高く、やはり舞美人やsanQをご存じの皆様にとっては、新ムロへの評価は低く味の良し悪しというより「sanQ」ではないというご意見を多く頂きました。
当蔵での酒造りのほとんどを2人でこなし手作業も多く、添加物を使わず、温度管理のできる設備や機器などは新麹ムロと貯蔵冷蔵庫ぐらいなので、その年の気候や気温などにお酒の味わいが大きく影響されます。
特に「sanQ」は、蔵付きの天然酵母を使用するため、同じ材料と条件で造っても醸造年によって味わいが異なり、酸度やアルコール分も高かったり低かったりしています。
天然酵母は空中に浮遊している酵母ですので、同じ酒母室で隣に並べて作っていても、お酒に入った酵母は違うことは当蔵ではよくあります。
これだけの味わいの違いが出たことの考えられる原因は、現状で考えられる点としては、麹ムロの違い、麹ムロで使う箱、蓋との違い、日数の違い、でしょうか。
今後の造りを重ね、解明していきたいと思います。
今回の「新麹ムロ sanQ」は「sanQ」としては蔵出しせず、違う形で出すよう検討中で発売時期なども未定です。
設備を変えたことで酒質が変わり、ご愛飲いただいている皆様をがっかりさせるのでは?という恐怖を感じていました。このプロジェクトの本来の目的である、これからの新しい麹ムロでの酒造りに大きなアドバイスを頂いたことは大きな喜びです。今後の舞美人の酒造りに大切に生かしていきたいと思います。
今後も率直なご意見を頂ければ幸いです。
あらためてご参加いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。 今後ともご愛飲の程、宜しくお願い致します。
美川酒造場 蔵元杜氏 美川 欽哉 蔵人女将 美川 久美子
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